コラム13
 
「酒呑みとお茶飲み」後編

その代わりと言うべきか、僕は高校生の頃くらいから、いろんなお茶をたくさん飲んでいます。毎日、中くらいの大きさの急須一から二杯分は飲みます。

真夏でもアイスティーではなく、ちゃんとお湯で淹れたものを冷まして飲んでいますから、けっこう立派なお茶飲みと言ってよいでしょう。

お茶を飲むことは、ささやかながら日常を潤してくれる、大切な生活の一部です。紅茶屋さんのメルマガの読者の方なら、お茶のない生活なんて考えただけで味気ないと思いますよね?

タバコ、お酒、お菓子など、大人になれば誰しも、多かれ少なかれ何かしらの嗜好品を必要とするものです。

僕の場合は、たまたまそれがお茶でしたが、僕がお茶を愛するのと同じくらいお酒を愛する人も世の中にはたくさんいます。前回書いたように、そういう酒呑みの人々のことを、下戸の僕は長い間うらやましく思ってきました。

しかし僕も30代になって周りの友人もそろそろ中年っぽい雰囲気が増えてきたせいか、ちょっと「お酒が飲めるということ」に対する考えも変わってきました。

というのは、若い頃はまだ、多少乱暴なことはしても、基本的には楽しいお酒がほとんどだったのですが、30前後になった頃、身の回りだけでも飲酒に関して問題を抱えている人が少なくないことがわかってきたのです。

比較的軽いものだと、週に6日は酒を飲むため肝臓が心配で、献血をしてγGTPの数値を知るのが恐いというもの。僕が知っている中で一番深刻なのは、二十歳の頃から十年以上、毎日ジンを1,2本飲みつづけて、医者から余命2年と宣告されている人です。

そういうお酒で悩む人の話を見聞きしているうちに、必ずしも飲めないことが損をしているわけではない、という風にも思うになってきました。僕がアル中になることは絶対にないんですから。

それに、やっぱり僕にはお茶があります。食後に飲む一杯のお茶が、風呂上りのビールに劣るなんて誰に決められるんですか?(山内)

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