思い出に残る紅茶2
 
『 二人で飲んだアールグレイ 』 世田谷タロウさん

もう10年以上も前のことです。大学3回生のときに生まれて初めて彼女というものができました。

貧乏学生だったのであまりお金のかかることはできずに、喫茶店でお茶を飲んだり、散歩するだけのデートが多かったのですが、それでも十分楽しかったです。若いっていいですね(遠い目)。


そのうち一人暮らしをしていた私の部屋に彼女が遊びに来てくれるようになり、彼女は紅茶好きな人だったので私にも飲ませようとしたのですが、悲しいかな男の独り暮らし、ティーポットはおろかグラス一つありません。

ある日、彼女が自宅からもらいものだというポットとカップのセットを持ってきてくれました。

私の6畳一間のアパートには似合わないきれいな花柄のものだったので、「これ、なんかヘンやなぁ」と二人で大笑いしました。

 その時飲んだ紅茶は、確かアールグレイでしたっけ。

秋の夕日が部屋に差し込み、遠くからお寺の鐘の音が聞こえてきて、二人でただニコニコして紅茶を飲んでいたのを今でも昨日のことのように覚えています。

それまで日本茶しか知らなかった私ですが、それをきっかけに紅茶の世界に足を踏み入れるようになりました。今では一年365日紅茶を飲まない日はありません。


「思い出に残る紅茶」というと、あの秋の日に彼女と二人で飲んだ甘い香りのアールグレイを思い出します。今でも心をじんわりと温めてくれる、青春時代のとても大切な思い出です。(妻には内緒ですが)


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