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あれは1990年の3月のこと。その数ヶ月前にベルリンの壁が崩れるなど、一連の東欧革命が起こった直後でした。 当時、大学生だった僕は、初めての海外旅行に話題沸騰していた東ヨーロッパを当然のように選び、東西ドイツ、チェコスロバキア、ハンガリーとやってきて、たどり着いたのがルーマニア。 首都ブカレストはチャウシェスク政権の崩壊の混乱が残り、戦闘の生々しい跡が街のあちこちで見られました。
彼らにカメラを向けて「OK?」ときくと、ニッコリ笑ってポーズをとってくれて、意外に気さくなんです。 下手したら銃弾が飛んでくるかも……と緊張していたのに、兵隊にはまるで緊張感がない。
求めに応じてパスポートを見せると、「ワオ、日本から?」と言って4,5人から握手ぜめ。 それで、好奇心旺盛な彼らと片言の英語でトークしてたんですが、突然「よぉ、銃撃ってみろよ」と言われました。
「マジですか?」 びびる僕に構わず、兵隊が銃の安全装置を外します。 軍隊が外国旅行者に銃を撃たせるなんて聞いたことないけど、ここは政権崩壊したルーマニア、いわば常識のエアポケット、あり得るかも。 しばらく迷いましたが、本当に撃ったら音が響き渡って、大変なことになりそうな気がして、結局やめました。 まだ心臓がドキドキして味なんてよく分からなかったけれど、温かい紅茶はとりあえず有難かったです。 …………………………………………………………………………… 当時はまだ外国人に慣れてなくて、本当に素朴で、あまり悪いことはできそうもない人が多かったです。今はどうなのかなぁ。(ガテ)
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