思い出に残る紅茶7
 
『父がくれた不思議な飲み物』ヨウコさん

 私がまだ紅茶の存在も知らないくらい小さい頃のことです。

子供ってよく熱を出しますが、私もよく寝込みました。


そんな時、父は「とにかく汗をかきなさい!」と言って真夏だろうとなんだろうと、冬布団を何枚もかけて汗だくにさせるんです。汗と一緒に熱を放出させる作戦です。


お布団もパジャマもビショビショになった頃、決まって父が不思議な飲み物を持ってきました。そう、紅茶です。

かなりお砂糖を入れたミルクなしの熱い紅茶で、きれいな色と、鼻詰まりもすっと通るような夢のような香り、そして甘い未知の味。

紅茶を知らない私は「これなあに?」と聞くのですが父はいつも「お熱が下がる魔法の薬だよ」としか言いませんでした。

その後、普通に紅茶を飲むようになっても我が家はいつもミルクティーだったし、いつの間にか忘れてしまいました。

そしてアレはもしかして紅茶だったのではと、ふと気づいたのはずいぶん大きくなってからでした。

私も2歳になる娘を持った今、育児に関する情報も昔と今ではずいぶん変わりました。今は熱のある子供に厚着はタブーで、適度に冷やすやり方が主流です。


紅茶も、小さい子供には刺激物としてあまりおすすめされていません。父の作戦はかなり荒療治だったようです。

でも仕事が忙しくめったに家にいないうえ、台所になど立たなかった父が私の具合が悪いときには必ずそばにいてくれて紅茶を入れてくれていたのです。

何が根拠だったのか分かりませんが、父の作戦は私には効いたと思います。


以上です。今度実家に帰った時には私がチャイを作ってあげようかな(笑)

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■僕が子供の頃も、風邪をひくと布団を何枚もかけて汗をかいたものです。

汗をかいた後って不思議と身体が軽くなって気分もすっきりしました。でも、今では逆に冷やすのが主流なんですね〜。

心のこもったお話をありがとうございました!(ガテ)

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