コラム12
 
「酒呑みとお茶飲み」前編

皆さんはお酒を飲みますか? 僕は、体質的にアルコールに弱いのであまり飲みません。夏の時期に二週間に一度ビールをグラスに一杯ぐらい、冬場は月に一度、ウイスキーを7倍程度薄めて飲みます。まぁ、これでは「あまり」ではなく、ほとんどゼロに近いですね。

本当はアルコールを飲みたいと思うことはまずないんですけど、気の合う友人たちと飲みに行くこと自体は好きなので、雰囲気に馴染むためにちょっと飲むわけです。

僕のような下戸(げこ=酒の飲めないたちの人)は、お腹が空いているときなどはビールをグラスに半分飲んだだけで顔が真っ赤になるので随分と経済的です。

それにちゃんと酔っていることが一目瞭然なので、誰からも「もっと飲め」と無理強いされることもありません。会計のときに、割り勘でのんべえの分までお金を払わされるのは癪宸ネんですけどね。

このコラムを読んでくれている読者の中で、どれくらい下戸の方がいるかわかりませんが、先天的にお酒を飲めないという現実をどう受けとめていますか?

僕は正直なところ、けっこう悔しかったです。学生の頃などは、どれだけ酒を飲んでどんなひどい目にあったかという自慢話(例えば三人でウイスキーのボトル一本と焼酎一升とビール3リットルを空けて、帰り道に公園で寝て、起きたら財布がなかった等)をよく聞かされたものです。

別に酔っ払ってお金を取られたいわけではないのですが、そういう笑い話になる程度の武勇伝を作るとなんとなく一目置かれる雰囲気がありました。少なくとも「オレ、酒飲めないんだよね」とオレンジジュースをすするより、女子学生の受けが良かったのは確かです。

また、そういう見栄の部分以外でも、目の前で本当に美味しそうにお酒を飲む人の姿を見るのは、僕のような下戸にとっては切ないものです。

なぜかといって、この世にそんなにウマイものがあるなら、自分も飲んでみたいと思うのが人間の性(さが)ではありませんか。

本人の意思や日頃の行いに関係なく、人類が数千年の間育んできた文化であるお酒を味わうことができないなんて! ‥‥つづく(山内)

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